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未来へ繋ぐ今日 ピンコロの美学と補聴器

 熊本には、”ばってん荒川”というコメディアンがいました。キャラである、お米ばーさんは最高でした。
そのお米ばーさんが熊本で流行させた言葉に、ピンコロ、があります。ピンピンと生きてコロっと死ぬ、です。ピンコロ自体は全国的に有名ですが、熊本では”ばってん荒川が広めた”言葉でした。確かに、かくあるべし、と思うこのごろです。
 
しかし、そうなっていないのが、世の中です。

 年を取るとみんなが、膝が痛い、腰が曲がる、目が見えない、歯が痛い・無い、そして耳が遠くなる。年を取るのは嫌なことばかりです。加齢という都合の良い二文字に託けて、お医者さんも「御年ですから」の一言で片けます。「御年ですから」の医者の言には身内から「年齢を問わず、苦痛の訴えに真摯に声を傾けないのは医者の任務放棄だ」と批判もあります。同感です。
 
 加齢由来で、今注目されているのが、難聴です。お芝居で老人らしい仕草といえば、耳に手をやり何度も聞き直すというのがありますね。この場面は老人の特徴を良く捉えた、ある種微笑ましい場面として描かれたりしています。

 ところが、難聴は、高齢化社会のなかで深刻な問題を引き起こしている、というのです。

 日本人口の20%が70歳以上で、2618万人います。その半数が難聴と言われていますから、実に1300万人以上もの高齢難聴者がいることになります。多くの人がコミュニケーションを含む生活の質を落とし、うつ病や認知症を引き起こすと考えられるようになり、社会問題となってきたのです。

 現在難聴の回復の決定打は補聴器の早期装着とされてます。白内障は手術で視界、視力の改善します。目と耳の違いです。

 じゃあ「補聴器を装着すれば難聴問題は解決するじゃないか」という事ですよね。しかし、そうなっていない。特に先進国の中では、日本の補聴器装着率が極端に低いため、社会問題となっているのです。英国47,6・フランス41・ドイツ36,9・米国30.2日本14,4%、日本は補聴器後進国です。

 装着率の遅れの原因はまず高いこと。両耳に必要な人は尚更高い。15万円から50万円ぐらいです。人生で一回の買い物ではありません。補聴器の寿命は3年から7年、平均5年です。生涯で何回も買い替えることになります。また電池もすぐになくなり、こまめのメンテナンスも必要です。
 
 この高額な補聴器への公的補助が基本的にないことが、さらに普及を遅らせています。公的補助が可能なのは、両耳とも難聴であり、レベルが平均70㏈(デシベル)以上が対象です。70㏈レベルとは、2m離れた所でセミの鳴く声が聞こえる程度となります。聴覚障害の認定基準です。

 世界では、WHO水準、41㏈以上で装着を推奨されています。41㏈レベルとは普通会話が聞き取りにくいということです。この水準での装着による治療は障がいへの対応ではなく、医療としての対応です。つまり公的補助の対象です。(アメリカには公的補助がありませんが。)

 一方で補聴器の性能は日進月歩。人間の脳が獲得してきた必要な音と雑音を聞き分ける能力を、現代の補聴器は実現しているそうです。
 ただし、装着時期の遅れ、装着して人間の脳が受け入れるリハビリ的訓練(約3か月)に耐える力のあるなし、精密機械を正確に装着させる専門家たちのあるなし、という人為的問題が装着率の遅れとなっているそうです。つまりお金だけの問題でなく、難聴と補聴器への確かな知識が個人にも社会的にも重要ということになります。

 
 私は50台半ばに耳鳴りが始まりました。特に静かな夜には「キーン」と鳴り続けるのです。耳鳴りに気が付いた時、重大な病気と思いすぐに耳鼻科に行きました。「何かに集中している時は耳鳴りは聞こえないのではありませんか」「あまり気しないことです。」との診断でした。すっかり気が楽になり、耳鳴りしていても苦にならなくなりました。
 
 耳鳴りの正体は老化です。聴力の低下は20代以降からと言います。難聴はじまりの信号音でもあります。今まで聞こえてきたものを、脳が何とか聞き取ろうとして興奮して耳鳴りを起こす。耳鳴りがあるおかげで細かな音を聞きとっているとも言えるのです。


 ピンコロの生涯でありたい。すくなくても耳に手を添え何度も聞き返すことの無い老い姿でありたい。技術的にはそれが可能な時代が到来しているようです。難聴と補聴器の確かな知識を獲得する個人の努力。そしてそれを支える社会のバックアップ体制の充実。科学技術を誰もが享受できる社会のため私なりに頑張ります。

 

 
 

 
 
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未来へ繋ぐ今日 奥入瀬渓谷で見つけたトクサと祇園祭

 ブラタモリに触発され、青森県の奥入瀬渓谷に行ってきました。30年以上前に十和田湖に行ったんですが、うかつにも奥入瀬には足を延ばさなかったため、「なんてもったいないことをしたんだ」って結構周りから言われました。
 「徒然草で石清水八幡の本殿を参詣しそびれた仁和寺の法師そのもの」と強く後悔していましたが、先達をブラタモリがしてくれたのです。

 巨大なマグマ溜りからの噴火により広大なカルデラとなった十和田の山底には、水の出口が一つも無かった為に、大量の水がたまり続けました。そして終に奥入瀬の一角が破れたとき、巨大洪水が発生し、V字ではなく、U字の谷を作った。それが奥入瀬川でした。この川の上流域14キロ部分が奥入瀬渓谷と呼ばれているものです。

 また奥入瀬川の水は、そのほとんどが十和田湖の水です。十和田湖も湧水が主体と思われています。そのため奥入瀬は大雨の時であっても、流量が安定しており、そこに住んでいるもの達が流されることが少なく、特に植物が育つにはこの上もない環境となりました。
 U字谷のため光も差すなか豊かな水がコケを繁殖させました。火山岩に覆われた渓流の岩山も苔に覆われ、苔石に変貌しました。その苔が植物の温床となりなり、川に転がっている岩上にも、木が数多く成育しています。

 渓谷美はどこにでもあるでしょうが、山行ではなく、沢登りでもなく、革靴でも川そばを散策できる。そして大きな岩が散乱する流れを、苔たちが森のような川に変えた。これぞ奥入瀬の奇跡と絶景。
 
 そんな奥入瀬の風景を楽しんでいる時、中洲生えているのがトクサとの案内がありました。

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奥入瀬の中洲の木の根元で尖っているトクサ

 トクサ? もしかして、祇園祭の木賊山のトクサ。すぐさま検索しましたが、やはり木賊山のトクサでした。祇園祭の時、鎌を持った物騒な老人の異様さをいつも感じていましたが、その鎌で木賊を刈っている姿なんだって、奥入瀬に来て分かったんです。

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足元に生えているトクサと鎌を持った老翁 木賊山


 すぐさま、なんで木賊を刈っている老人が、御神体なんだって思いますよね。
 木賊は謡曲の一つです。生き別れた親子が、やがて信濃の里で再会を果たす、父子の深い情愛を主題にした感動の物語です。木賊山はそれを題材にしたものだったのですね。

 トクサは「砥く草」とも言われ工芸品などの研磨器だったそうです。現在でも柘植串やクラリネットのリードなどを研ぐには欠かせない優れものとしての役割を果たしているようです。木賊山の老人は、トクサを刈って、研磨材を作る職人だったのです。

 さらに疑問が湧きました。180曲もある謡のなかから、祇園祭りの山になったいきさつって何だったんでしょうね。この鉾町に多くのトクサを商いする店があったから?。そうだ!鉾町に聞きに行けばいいんだ。今年の祇園祭が楽しみです。

未来へ繋ぐ今日 きぬかけの路の不思議な地層の正体

 30年ぐらい前に、それまで観光道路と呼んでいた、金閣寺から御室仁和寺に続く道路が、きぬかけの路(みち)に衣替えをしました。その道路の崖の一部には、大きくゆがんだ地層があります。あらかたは石垣でもって化粧が施してあるのに、そこだけが石垣が途絶えるので、余計に異様に見えるのです。

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立命館大学正門北西にある地層


 「観光道路の地層」と言えば、「ああ、あのゆがんだやつ」で通じるほど有名ですよね。同時に「あれなんなん」と聞いて「あれは○○やで」って回答を聞いた試しがないのです。通勤で毎日観光道路を通る私が応えるべき筋合いのものだろうと、30年目にして重い腰を上げて調べてみました。

 まず、規則正しく板状の形をした石の正体はチャートです。

 チャートはプランクトンである放散虫の死骸が海底で堆積し岩になったものです。放散虫は殻がガラス質でできているので、大変硬いものです。かつて火打ち石にも使用されていました(火打ち石は今もセットで3000円ぐらいで買うことができます)ので、かなりな年配の方はご存じですね。(ただしチャート石から火花が出るのではなく、対の火打金の鉄分が火花の正体です。念のため。)

 何故プランクトンの死骸が京都市の山裾に存在しているのか。それは日本が太平洋プレートが作りだした島であるということです。太平洋プレートは地殻上の様々なものを運び日本のほぼ原型を作りました(付加体)。それが石灰岩であったり、火山そのものだったりするわけですが、京都となっているところは、多くのチャートを運んだわけです。その一部が衣笠山の裾野で私たちが見ている地層なんですね。つまり私たちは、太平洋の地底を地上で見ていることになります。
 
 でもこの右京区や北区の山や川でふんだんに見られるチャートも、以前は海底にあったものが隆起したものと思われていました。その年代も2億5千万年以上前と言うことでした。今日の研究ではプレートが運んできたものであり、数千万年前のものであるとなっているようです。

 なんでそんな年代までわかるのか。まだ私は明確な文面に行きついてはいなのですが、多分放散虫の解明が進んだからです。

 放散虫は生物が地球上に存在したころからの古い生き物で5億年いきている、「生きた化石」の代表です。放散虫は人間の目では見えないものであり、電子顕微鏡を使用しなければならないそうです。チャートがあるのだから、顕微鏡がありさえすれば簡単、って思いますよね。でもこの石から放散虫を取りだすのがまた一苦労で、石を薬で溶かして放散虫の殻を取りださなければならないそうです。

 これは大変時間のかかる作業ですが、この地道な作業が実り、ついに放散虫の進化が解明されたのです。放散虫は様々な形をしていますが、その形状は時代によって違うのだということが分かったのです。放散虫革命と呼ばれています。

放散虫の層序
 
 放散虫の進化と地層の年代区分 産総研より//blog-imgs-126.fc2.com/s/y/o/syoeisan/20190522000620624.jpg


 特に日本は太平洋プレートが次々に運び込んだ様々な岩石たちが褶曲を繰り返し列島を形成しているため、地層が複雑に絡み合っています。それだけに地層や岩石から年代を測定するのは困難を極めるとおもいますが、チャート石が出れば、形状で確実に年代が分かるということです。素晴らし!!

 やー。なんかちょっと地層を調べたぐらいで、毎日通る景色を違って見える気がしています。でもまだまだあやふやな知識で分かったような気がしている私に、ちゃんと教えてくれそうなところがあるみたいです。その名は「益富地学会館」。「あれなんなん」という素朴だけれど、積もり積もった疑問を解明してもらえるんではと、胸躍ってます。



 

未来へ繋ぐ今日 スクランブルにわくわく!! 

 スクランブル発生。本来の意味は「対領空侵犯措置」ですから「国家の一大事」なわけですが、一家の一大事という意味で住宅管理業界では使用されています。

 さて我が家にスクランブルが発生しました。台所の水道のじゃばらホースから水漏れが起こり、水道が使用できなくなりました。こんなときは決まってワタナベ住設さんに連絡すれば何とかしてくれます。今回も電話しました。

 ワタナベ住設さんが早速駆けつけてくれました、じゃばらホースの割れだけなので、システムキッチンのメーカー・クリナップのほうが勝負も早いし、費用も安くつくと判断されたワタナベさんがクリナップに電話。一安心。後は私宛の電話を待つのみ。電話がありました。料金は材料費、技術費、出張費ともで1万八千円とのこと。高!!。

 ホースの取り換えにしては法外に高い気がしましたが、何せスクランブルですから、泣き寝入りでお願いしました。ワタナベさんにも事情を伝えたところ、「高すぎると思いますので、メーカー修理を断り、私が水栓ごと取り替えます。13年使用されてもいますからね」とのこと。お安く更になりました。

 この類の事、他にもありました。

 ウォシュレットのリモコンが壊れたので、購入先のエディオンに出向いたところ、「メーカーに問い合わせましたが、ナショナル製品は製造中止なためリモコンもありません」とのことでした。「リモコンがダメなら本体ごと買い換えるということですか」「そうなりますね」「リモコンが壊れて、テレビを買い替えることってありますか」「・・・・」「もういいです。私が直接電話します。」ッテなことになりまして、パナソニックの返事は「後継機があります」でした。操作ができないことが一点だけありましたが、なんの問題も無く現在に至っています。

 部屋内のドア鍵が壊れ部屋に入れなくなりました。午後9時過ぎでした。管理会社指定の会社にスクランブル要請。いくらかかるかは現場を見てからとのこと。結果、鍵の修理代、出張料合わせて2万○千円。「えー修理だけでー」って渋りますよね。「お客様、お望みなら同額でドアノブごと取り替えますが」「ノブもって来てはるんですか」「ありますよ」。ドアノブごと更になりました。

 10年以上使ったサンヨ―の炊飯器からお湯漏れするようになり、危険な状態になりました。買い替えの時期かもしれないが、ネットで部品を探してからでも遅くないと思い実行。サンヨーの後継器ではなく、サンヨーそのもの部品を良心的な値段で売ってくれているサイトがありました。2千円ちょっとの部品でストラーイク!。今も絶好調です。

 人の弱みに付け込んでの商売には恐れ入りますが、持つべきは相談できるアドバイザーですね。だけどアドバイザーだけに頼っていると、その有りがたさも分からなくなるんで、自分でもしっかり調べることは大事ですね。

 そのスクランブルちょっと待ったー。スクランブルにわくわくです。

 


未来へ繋ぐ今日 カルロス・ゴーン氏と冤罪

 カルロス・ゴーン氏が4度目の逮捕となりました。海外でのニュースが極端に少ない日本にあっては、今回の逮捕劇の異常さもあまり報道されていません。東洋経済オンラインによるとフランスの拘留は通常48時間、共謀の嫌疑で96時間。4日間です。日本は最長23日。やはり異常な長さですね。他国に比べこんなに長いのでは、冤罪の温床と言われると確かにそうなのでしょう。

 冤罪といえば、この間再審決定や再審無罪が相次いでいます。一番新しいのが、熊本松橋事件で、3月28日に35年ぶりの無罪判決がありました。
 
 一連の冤罪事件の中で、とりわけ私が注目したのは、滋賀県・湖東記念病院の西山美香さんの最高裁再審決定のニュースです。再審の決定は無罪の可能性が限りなく高いことを意味します。

 私が西山さんの事件でとても切ない気持ちになるのが、自白のくだりです。

 「・・・どうすればこの人達(刑事)に分かってもらえるのか、絶望的な気持ちでした」
 別の日再び取り調べを受けた西山さん。Y刑事の態度が一変します。
 「今日は西山さんのことを教えてほしい」
 西山さんは優秀な2人の兄に比べて成績が悪くコンプレックスを感じていること、病院で同僚の看護師から仕事を教えてもらえなかったことなどを話しました。Y刑事は「西山さんは、努力すればかしこい人だと思うぞ」と優しい顔を見せました。
 「当時、私も23歳でまだ若かったし、賢いと認めてもらえたことが嬉しく、Y刑事に好意を抱いてしまったんです。後先の事は考えず、Y刑事の意に沿うように・・・」(救援新聞2018年9月25日号)この自白が証拠となり、12年間にわたり収監されました。

 ”冤罪”弁護士、今村さんはこう言います。

「・・・こうして『やりました』とうその自白をすると、警察官は突然優しくなります。『よくやった、頑張ったな!』と抱き付いて来たりもします。閉鎖空間で、擬似的な信頼関係に抱き込まれるように自白をしてしまう。誰もが冤罪の当事者になる可能性はあるのです。」(しんぶん赤旗日曜版3月17日号)

 それにしても、やってもいないことをやったと言えるのだろうか。まして殺人なんかを。まだ疑念の残る人もいますよね。
 西山さんに関する驚くべき事実が再審請求のなかで明らかになります。西山さんには注意欠如多動症(ADHD)という発達障害と軽度の知的障害がある、と臨床心理士が判定したんです。

 「9歳から12歳の知能しかないと言われて、最初はショックでした。でも臨機応変にふるまえないとか、人に迎合してしまうところとか、辻褄の合うようにウソをついてしまうところ、すべて私に当てはまるのです。私が、どうしてウソの供述をしてしまったのか、ここでつながったのです」(救援新聞2018年9月25日号)

 ゴーン容疑者も冤罪となるのか、それは分かりません。ゴーン氏のリストラで多くの労働者や下請け業者が職を失い、そして残されたものは過酷な条件で働らかされ、そして自らはその利益を貪りました。その恨みは計り知れないものでしょう。しかし容疑者のうちは犯人ではありません。起訴もされていない状況での長期拘留と事実上の収監、これもまた許してはなりません。

 民主主義は時として歯痒いもの。しかし時間がかかるものだからこそ私たちも民主主義に守られている、と強く感じます。


 
 

 
 

 
 
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